2022年5月26日にパシフィコ横浜で開催された、自動車技術会春季大会において河原塚研究員が熟筆した論文「A novel piston insulation
technique to simultaneously improve both heat loss and thermal efficiency
for diesel engines」(ディーゼルエンジンの熱効率改善と冷却損失低減を両立する新しい遮熱技術)を対象として上記賞を受賞いたしました。
研究概要
内燃機関の熱効率を改善するにはエンジン筒内からの熱損失を低減することが必要である.従来,エンジン筒内壁面からの冷却損失を低減するため様々な遮熱構造が提案されてきたが何れも顕著な改善には至っていない.受賞者は熱伝達率の低減を狙った表面粗さの平滑化に着目し,ステンレス溶射と鏡面研磨を組み合わせた遮熱構造を提案した.更に,その検証過程において壁面に付着するススと輻射伝熱を考慮したメカニズムの仮説を立てたるに至った.輻射による熱損失は殆ど着目されていないが,燃焼室壁面に付着するススによる輻射吸収が燃焼室表面の温度変動を高め,噴霧火炎からの熱損失を抑制している可能性が高く,ステンレス溶射も含めこれまでに無い遮熱構造の提案となった.
謝辞
本研究は,新エィシーイーの研究コンソーシアム,及び国土交通省の委託業務:産学官連携による高効率次世代大型車両開発促進事業における「大型ディーゼル機関において画期的熱効率向上を実現するための冷却損失低減技術に関する調査」に関する事業の結果得られたものであり,関係された皆様に感謝申し上げます。
説明パネル(自動車技術会春季大会にて展示したもの)
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